ダルビッシュ有の変化球バイブル [スポーツ]
ダルビッシュ有の変化球バイブルアンコール (B・B MOOK 924)
- 作者: ダルビッシュ有
- 出版社/メーカー: ベースボール・マガジン社
- 発売日: 2013/05/22
- メディア: ムック
なんでもアンコールがついていないバージョンはプレミア価格になっていたそうだが、再販されたとのことで買ってみた。
ダルビッシュはストレートも早いが、自身を「軟投派」というぐらい変化球のバリエーションが優れている。
そんなダルビッシュが握りを公開しているとあって、買ってみた。
日本では握りは極秘で公開しないという伝統があるが、ダルビッシュはご丁寧に本まで出している。この差は何かといえば、本でみて打たれてしまうようであればそれは通用しないというような信念があるからだろう。彼はこの本が役に立ってプロになることを期待しているとの大物発言。
それは、彼自身の言葉の端々に秘められている。ストレートと同じ振りで投げる。ストレートと途中まで思っていても変化するので打ち取れるなど、ある変化球1つだけで討ち取ろうというのではなく、ストレートを軸とした他の変化球を打者を打ち取るという観点で組立をしている。
キレがありすぎると振ってくれないので修正する、他の変化球との組み合わせが悪いので使わない、プロで1年投げるので指に負担がかかるシンカーは使わない
と、常に怪我をせずに長くやれることを心がけてやっているのもわかる。
また彼の高校時代の監督もいい監督だった。成長痛だったダルビッシュには無理に投げさせずにプールなどでトレーニングをさせるなど、環境も良かったと思われる。これがヤクザなチンピラ監督だったら今のダルビッシュは生まれなかっただろう。
まあ、とにかくダルビッシュの奥深さがよくわかる一冊だった。
あまり日ハムの試合は見る機会がなかったが、一試合注意深く見ていると、打者が2~3巡目になる5,6回ぐらいから使う変化球を変えてくる。これは、同じピッチャーと3回も当たると、相手もプロなので打ってくる確率が高くなるからだと思われる。やっとタイミングがあってきたと思われる2巡目、3巡目に球種を変える。いわば効果的なリリーフをしているようなもので、こりゃあ打てんわと思ったのを覚えている。
しかもダルビッシュは「置きに来る」変化球を投げないし、自身もそうならないように意識している。本には何度も「ストレートを投げるつもりで」「キレよりもコントロール」「低めに投げれはボールは勝手に変化する」というような言葉が出てくる。
横浜の試合でよく見るのは、投げる球がなくなって「変化球を置きに来る」事が多いこと。この置きに来るというのは、体の動きと手の動きがバラバラで、ほぼ手投げに近い状態になり、球威、キレがなく、かつストライクゾーンに投げると相手に教えているような状態である。相手もプロなのでこういうピッチャーは間違いなく打たれる。相手が横浜だと打たれないかもしれないが・・・
ぜひ、横浜DeNAのみなさんはこの本を読んで引き出しを増やし、トレーニングをすることを心がけていただきたい(笑)
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