采配 [本]
知り合いが貸してくれたのでさくっと読み終わらせた。
内容は落合らしく俺流であるといえる。本人は俺流を否定しているが、「こうすればいい」ということを貫徹できる人はそうそういないだろう。現実社会ではわかっててやらない事のほうが多いのでそういう意味で俺流であると言える。
あと、ビジネスマン向けの啓蒙書的な側面があるのだが、内容はどうしても監督、コーチよりなため、3分の1程度は新人、残りは管理職が心得ておくべきことというような比率に感じた。正直ここに書かれてる内容を管理職がやってるような企業は活力があるだろうなという印象。
プロ野球的な内容としては契約について書かれていた。WBCになんで行かなかったんだと言われたが、球団と直接契約している個人事業者である選手に、明確に球団との交渉もせずになあなあでWBC言ってくれというのは球団に対しては契約違反になると。契約や法律よりも人情みたいなのは日本らしいなぁと思った。
書いてある内容はどれもごもっともで、かなり冷静に書かれているが、ある対談では日本シリーズで完投させなかったのは、本人が交代を言い出すまでは自分からは言い出せなかったとかなり感情を込めていっていたので文章だと冷静だが、よく読めばそのときの葛藤がわかると思う。
本当は感情的だが、それは表に出さずに戦うというのも本人の心得の一つなので有限実行しているのだろう。
あまり内容は野球とは関係ない事が多いが、プロ野球の事情にある程度は知っていないと理解出来ない部分があるため、わかってる人は面白いだろうが、やっぱりプロ野球知らない人が読んでも啓蒙にはならないかなとは思った。
俺流の考え方がよくまとまってるので、どういう考えで動いていたかを理解したい人にはオススメ。
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