イーハトーヴ交響曲(冨田勲 Feat. 初音ミク)のSACDを買った [オーディオ]
クラシックで初音ミクを使ったというので去年頃にニュースになって、確か再放送とかされてたと思うのだが、まさかのSACDで発売。
冨田勲,大友直人,初音ミク,日本フィルハーモニー交響楽団
重要
日本では珍しくSACDでの発売。再生できる人は以下の人に限られる
・ユニバーサルブルーレイプレイヤーを持っている(SONYかPionner、DENON、Marantzなど、1万~)
・オーディオオタでガチSACDプレイヤー(5万~)を持っている
・PS3初代の本当に極初期のモデルを持っている
こうしてみると、本当に日本でSACDで出すメリットって無いなと改めて感じる。普段は名盤と言われてても2Kを超えたら買わないのが自分のポリシーだが、今回だけはその心意気をサポートする意味でも購入した。
あと、最初に書いておくが、ミクがメインではない。クラシック交響曲の一部の演出としてミクが使われている。確かになければ成り立たないが、一般的なミクアルバムのようにミクが終始出ずっぱりだと思うと残念に感じる。あくまでも普通の交響曲の一演出だと思うと、「なるほど」と思える。
以下、オーオタ的な評価
常々「日本のマスタリングは○○」とか言っているが、若干大人しいとは思うものの十分いいレベルの録音、マスタリングがされていると思う。
CD層を取り込んでiTunesで気楽に聞いてみても、クラシック的な音の広がりがちゃんとマスタリングに反映されていて、日本でもやればできるじゃないかと感心した。なので、SACDプレイヤーもっていなくても全然問題ないレベルだとは思う。難を言えばクラシック的低音が出ていないが、これは仕方がない。CDのクオリティという点ではこれ以上望むと何処かに歪みが出てくると思う。
ではSACDだとどうなのかというと、マルチチャンネルと2ch両方で録音されている。マルチチャンネルがなぜか4.0chだと裏のラベルを見ると書いてあるのだが、実際再生してみると5.1chとして認識されている。(海外のSACDだと割りきって本当に4chになっているのもある)ので、マスタリングツールの制約でダミーのチャンネルが入ってるってことなんだろうか。)
また、これはうちの環境の問題でもあるのだが、ほとんどのSACDでウーファーが効いてくれない。うちの環境はウーファーを入れないとダイナミックさが若干足りない。SACDのほうがCDで再生するよりもいいのは間違いないのだが、ベストでもないという悲しさがある。なので、マルチには.1ch入れて欲しかったのが正直なところなのだが、ほとんどのクラシックのSACDにある現象なのでしょうがない。
マルチと2chの区別は殆ど無いが、音楽用マルチチャンネルはそれぐらいが丁度いい。BDでよくあるDTS-MAでは映画と勘違いしてリアに大量にぶっこむマスタリングをしてしまっているものばかりで、DTS-MAは二度と買うまいと思っていたりもするのだが、このSACDはそういうこともなく、マルチでもステレオでも普通に再生できる。取説にはサラウンドはS席で聞いているようにマスタリングしたとあり、確かによいと思う。
初音ミクについては、どうしても調教が足りないところがわかってしまうのだが、それでもクラシック的な演奏にバーチャルシンガーとしていれるという試みは現代アートとしては素晴らしい成果であったと思う。
<追記>
NHKの特集を見たが、作曲家の冨田勲氏は異次元からきたものを表現するのに初音ミクを使うのが調度良いと思われたという。確かにミクの人間には出せない高音と曲の怪しい雰囲気、ミステリアスな雰囲気を合わせるという試みはうまくいってたと思う。コミカルなのもよい。
最後になったが、内容は癒し系とエンターテイメント性のあるものになっているので、気合入れて聞くのではなく、気楽に聞くにはいい1枚だと思う。
ただ、SACDにするからには、ちゃんと5.1でマスタリングはしてほしかった。
次も出たら買おうと思えるいい1枚だった。
(が、NHKの特集見たら次は出なさそう)
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