将棋電王戦リベンジマッチ 森下卓九段 vs ツツカナ [将棋]
3時過ぎに寝落ちして、もうあまり覚えていないが雑感
「継ぎ盤ありなら10冠」という森下九段の発言をうけてエキシビジョンマッチ
持ち時間両者3時間、秒読み10分。
・序盤は互角ではあるが、後手番ということもあり、主導権が握れない展開(当然といえば当然だが)
相矢倉になった。森下九段は序盤は比較的しゃべりながらやっていて、練習で横歩取りになるとあまりよろしくないようなことをいっていたがうろ覚え。
・ツツカナも盛大に時間を使う設定になっていて、3時間の持ち時間はほぼ同等の消費量であっという間に無くなった
・10分の持ち時間がかなり変則的で、Ponder Hitしないとツツカナも10分フルに考えるため、1時間に6手程度しか進まない。
ここらへんはソフトの作者の作り込み次第次第だろうが、それ以外のところを作るので手一杯なのが現状のような気はする。大体コンピュータ同士の短時間と人との長時間で調整するというのも結構めんどくさそう。しかもレーティングには影響しないだろうし。
・休憩も通常の対局ではほどよく入っていたと思うが、指し手が進まない上に休憩30分があることでさらにスローペース。
・しばらくツツカナ側の評価値が高まってたので、途中で寝ようかと思った。
・ツツカナについて
読み筋と実際に指した手が違うことがしょっちゅうあった。システムの問題なのかどうかがよくわからない。
最新のGalleriaに使われているCore i7 5880Xはコアクロックガ下がってコア数が増えているので、並列度チューニングがより重要だと思うのだが、マシンが去年のモデルとかパフォーマンスが向上してるとかはあったんだろうか。
・△9七銀あたりで(実は)後手優勢?
評価値でしか形勢がわからないので、9七銀は耐え切れずにぶっ放したようにしか見えなかった。
ニコ生でも終わった的な発言が多かった。(ツツカナもいきなり跳ね上がったので)
が、そこからの受け損なったのかよくわからないが、▲9四歩で明確に逆転模様になった。
そもそも、ここまでの流れはGPSFishはこの局面はツツカナと大幅に評価値が違う上に、9七銀は5番目の候補手で深く読むときは真っ先にカットされるたため、悪手と判断。ツツカナも全然考えてなかった手に見えた。
Blunderで評価してみると一発で9七銀が候補に出てきてるのだが、深く読むと5五龍になってしまっていた。
ツツカナは穴熊の9九玉の位置にいると点が異常に高くなると聞いたが、矢倉でよくある8八玉の点数も高いのかなぁと思った。いわゆるドーピングでチューニングしてたところに9七銀が成立したところに盲点があったのかなぁとか。推測でしか無いけど。
・ソフトごとの形勢グラフ
試しに3ソフトでそれぞれ一手3秒ずつ解析してみたところ
一番上がGPSFishで先手に跳ね上がった手が9七銀、急激に下がった手が▲9四歩、同香で少し盛り返して、5四角で一気に下がった。
Blunderの場合、それほど先手がよいとも判断していないが、竜に追われて移動した▲5九飛、△2五銀で形成互角、やはり▲9四歩で悪くなったと判断。
Bonanzaも似たような感じ。
Ponaxがどうなのか気になるところ。
・ルール
時間が足りないので中断というのは、朝5時まで見てた人には不評だろう。
ただ、途中解説も無くなった上に、あとは全駒するような展開になりそうだったので、かなりの人が寝落ちしたようだったが、自分も寝落ちした。
アンケートも1が60%と低かった。将棋の内容的に80%は堅かったと思うので、中断に不満だった層が2に入れたと思われる。2は20%ぐらいだったので、1,2合わせれば80%ぐらいは満足という感じではあるが。
そもそも佐藤康光九段がさらっと計算して、終わるのが20時間後ぐらいですかと言っていたが、コンピュータは設定しないと投げないものだし、最初から最悪時間決めて決着がつかなかったら引き分けのFloodgate方式でも良かったと思う。西尾六段によれば当初は秒読み15分だったらしいので、10分にしたのは悪い中ではマシなルールだったといえる。
人間同士の休憩時間ルールだと、あまりクリティカルなところで相手に手番を渡さないとかで時間の使い方のテクニックみたいなのがあると思うのだが、普段休憩なんて無いコンピュータと人間で戦うと実質的に人間が考える時間が増えているので、これにたいしても何かしらのアナウンスはあってもいいかなぁとは思う。途中で休憩時間直前にPonder Hitしたツツカナが1秒指ししたのも、運が味方したかもしれない。
電王戦タッグマッチはプロ同士しかわからないような感じだったが、今回は進行が遅かったので素人には優しかった。ただ、森下九段が比較的率直に話すのが面白かった面はかなりあるので、今後続くのは考えにくいかなぁと思った。
<追記>
元々「ミスがない人間のほうがコンピュータよりは強い」という主張の検証が発端だったので、その点に関しては最低限のハードルはクリアーしたと思う。一方で、本当に勝ち切れたかどうかはまた疑問で、あの必勝の場面から100手(16時間)ぐらいさして入玉して勝ちを宣言できるのか、明確に詰ますことができるのかというのは、やはりやってみないとわからない。上の評価値を見てもらえるとわかるが、完全にクソ粘りモードに入り、森下九段に明らかに疲れの色が出ているところで評価値が戻っていることを考えると、やっぱり人間にミスが出てしまうのではないかという疑念は残る。
人間が安定的に勝とうとしたら、継ぎ盤あり、秒読み10分以上の二日制か、駅伝のような多対一でやる必要があるように感じられた。ただ、今回のような展開だと二日目は入玉阻止だけで1日終わるのでニコ生だったら4や5が多そうであり、視聴者的にはうれしくない。多対一はそれこそなりふり構わずという感じなので、心象もよろしくない。人間がそんな無制限にやるんだったら、コンピュータも無制限にクラスタ化してないとというように泥沼化しそうだし・・・
「コンピュータが今以上に強くなる余地は確実にある」ということだけが確実にわかったことで、継ぎ盤なら勝てるという話については、時間が無制限にあっても先に疲れるので対策が必要ということぐらいだろうか。
「継ぎ盤ありなら10冠」という森下九段の発言をうけてエキシビジョンマッチ
持ち時間両者3時間、秒読み10分。
・序盤は互角ではあるが、後手番ということもあり、主導権が握れない展開(当然といえば当然だが)
相矢倉になった。森下九段は序盤は比較的しゃべりながらやっていて、練習で横歩取りになるとあまりよろしくないようなことをいっていたがうろ覚え。
・ツツカナも盛大に時間を使う設定になっていて、3時間の持ち時間はほぼ同等の消費量であっという間に無くなった
・10分の持ち時間がかなり変則的で、Ponder Hitしないとツツカナも10分フルに考えるため、1時間に6手程度しか進まない。
ここらへんはソフトの作者の作り込み次第次第だろうが、それ以外のところを作るので手一杯なのが現状のような気はする。大体コンピュータ同士の短時間と人との長時間で調整するというのも結構めんどくさそう。しかもレーティングには影響しないだろうし。
・休憩も通常の対局ではほどよく入っていたと思うが、指し手が進まない上に休憩30分があることでさらにスローペース。
・しばらくツツカナ側の評価値が高まってたので、途中で寝ようかと思った。
・ツツカナについて
読み筋と実際に指した手が違うことがしょっちゅうあった。システムの問題なのかどうかがよくわからない。
最新のGalleriaに使われているCore i7 5880Xはコアクロックガ下がってコア数が増えているので、並列度チューニングがより重要だと思うのだが、マシンが去年のモデルとかパフォーマンスが向上してるとかはあったんだろうか。
・△9七銀あたりで(実は)後手優勢?
評価値でしか形勢がわからないので、9七銀は耐え切れずにぶっ放したようにしか見えなかった。
ニコ生でも終わった的な発言が多かった。(ツツカナもいきなり跳ね上がったので)
が、そこからの受け損なったのかよくわからないが、▲9四歩で明確に逆転模様になった。
そもそも、ここまでの流れはGPSFishはこの局面はツツカナと大幅に評価値が違う上に、9七銀は5番目の候補手で深く読むときは真っ先にカットされるたため、悪手と判断。ツツカナも全然考えてなかった手に見えた。
Blunderで評価してみると一発で9七銀が候補に出てきてるのだが、深く読むと5五龍になってしまっていた。
ツツカナは穴熊の9九玉の位置にいると点が異常に高くなると聞いたが、矢倉でよくある8八玉の点数も高いのかなぁと思った。いわゆるドーピングでチューニングしてたところに9七銀が成立したところに盲点があったのかなぁとか。推測でしか無いけど。
・ソフトごとの形勢グラフ
試しに3ソフトでそれぞれ一手3秒ずつ解析してみたところ
一番上がGPSFishで先手に跳ね上がった手が9七銀、急激に下がった手が▲9四歩、同香で少し盛り返して、5四角で一気に下がった。
Blunderの場合、それほど先手がよいとも判断していないが、竜に追われて移動した▲5九飛、△2五銀で形成互角、やはり▲9四歩で悪くなったと判断。
Bonanzaも似たような感じ。
Ponaxがどうなのか気になるところ。
・ルール
時間が足りないので中断というのは、朝5時まで見てた人には不評だろう。
ただ、途中解説も無くなった上に、あとは全駒するような展開になりそうだったので、かなりの人が寝落ちしたようだったが、自分も寝落ちした。
アンケートも1が60%と低かった。将棋の内容的に80%は堅かったと思うので、中断に不満だった層が2に入れたと思われる。2は20%ぐらいだったので、1,2合わせれば80%ぐらいは満足という感じではあるが。
そもそも佐藤康光九段がさらっと計算して、終わるのが20時間後ぐらいですかと言っていたが、コンピュータは設定しないと投げないものだし、最初から最悪時間決めて決着がつかなかったら引き分けのFloodgate方式でも良かったと思う。西尾六段によれば当初は秒読み15分だったらしいので、10分にしたのは悪い中ではマシなルールだったといえる。
人間同士の休憩時間ルールだと、あまりクリティカルなところで相手に手番を渡さないとかで時間の使い方のテクニックみたいなのがあると思うのだが、普段休憩なんて無いコンピュータと人間で戦うと実質的に人間が考える時間が増えているので、これにたいしても何かしらのアナウンスはあってもいいかなぁとは思う。途中で休憩時間直前にPonder Hitしたツツカナが1秒指ししたのも、運が味方したかもしれない。
電王戦タッグマッチはプロ同士しかわからないような感じだったが、今回は進行が遅かったので素人には優しかった。ただ、森下九段が比較的率直に話すのが面白かった面はかなりあるので、今後続くのは考えにくいかなぁと思った。
<追記>
元々「ミスがない人間のほうがコンピュータよりは強い」という主張の検証が発端だったので、その点に関しては最低限のハードルはクリアーしたと思う。一方で、本当に勝ち切れたかどうかはまた疑問で、あの必勝の場面から100手(16時間)ぐらいさして入玉して勝ちを宣言できるのか、明確に詰ますことができるのかというのは、やはりやってみないとわからない。上の評価値を見てもらえるとわかるが、完全にクソ粘りモードに入り、森下九段に明らかに疲れの色が出ているところで評価値が戻っていることを考えると、やっぱり人間にミスが出てしまうのではないかという疑念は残る。
人間が安定的に勝とうとしたら、継ぎ盤あり、秒読み10分以上の二日制か、駅伝のような多対一でやる必要があるように感じられた。ただ、今回のような展開だと二日目は入玉阻止だけで1日終わるのでニコ生だったら4や5が多そうであり、視聴者的にはうれしくない。多対一はそれこそなりふり構わずという感じなので、心象もよろしくない。人間がそんな無制限にやるんだったら、コンピュータも無制限にクラスタ化してないとというように泥沼化しそうだし・・・
「コンピュータが今以上に強くなる余地は確実にある」ということだけが確実にわかったことで、継ぎ盤なら勝てるという話については、時間が無制限にあっても先に疲れるので対策が必要ということぐらいだろうか。
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